2016年01月27日

キーの開きのはなし

Porteのリペア受付表には、キーの開きの広さをメモする欄があります。



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キーの開き具合を重要な要素と考えているからです。






ここでいうキーの開きの広さ というものは トーンホールの端からからパッドまでの距離のことで、



これです下指差し


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この距離のことです。






キーの開きはサックスの調整にあたって、音程、音色、フィンガリング、等等、 様々に絡む重要な要素で、しかも具体的に数値で表すことができる数少ない確かなポイントの一つです。






私はこんな道具を使って計っています。



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自作の0.5mm単位のゲージです。これを隙間に挟んで大きさを測ります。





例えばレ、ミ、ファの音程が高い、とか、指が届きにくい気がしたりとか。



もし自分の演奏の中にお悩みがあったとしたら、ここをチェックしてみるのも良いかもしれませんね。



ご自分でチェックすることもできますよ!



なんでもいいので固めの紙(名刺とか?)を定規でアルトなら6.0mmとか8.0mmに切って、画像の様に挟んであげれば良いのです。




open.png







さてこのキー開き具合。



メーカーよってモデルによっても違いがありますが、基準があります。





一般的には、
左手の中指で押すキーの下にある、変え指のシ♭の B♭(Bisキー) と 右手の人差し指 F  を計ります。


ここを計ってあとは横から見た時にキーの高さが揃うように調整するのです。
(モデルによっての違いやアルトやテナーの違いや工夫も当然ございます。)




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一般的な開きの基準値は下記の通りです。



bis F
ソプラノ  4.5 6.5
アルト   6.0 8.0
テナー   6.5 8.5
バリトン  7.5 9.5




あくまで一般的な数値です。 
例えばセルマーの基準値はこれよりも少し大きいです。


アルトを例にすると、左手が5.0だと凄い狭い印象。7.0だとかなり広い印象。 右手が8.0を切ると狭い、9.0だとかなり広い。 


ざっくばらんにそんな感じの印象です。


コンマmmの範囲で調整しますが、印象は人それぞれです。


そんなに敏感で無い方だとしても0.5mm違うと誰でも変わったな!という印象を感じるはずです。1mm違うと確実にどなたでも気がつかれるはずです。





各メーカーの最終組み立て工程では上の画像にある様なゲージをそれぞれ持っていて、計った上でバランスを取っています。



けっこう基準値に厳格に組み立てているメーカー、結構ファジーでまちまちなメーカーもあります。(笑) 




新品なのに、楽器ごとの個体差が激しいメーかーは、このことが一つの要因だったりもします。




ちなみにオランダのクラフトマンは右手の薬指の数値で基準にしていました。リペアマンの考え方や流派によっても違うのです。






ではこの開きが広いと?狭いと?どうなるのでしょう?





開きが広いと、、、

・音は明るくなる 散らかる 鳴る (個人的に明るい、暗いという言い回し、適切でないのであまり使わないのですが便宜上、、、)
・指の運動距離が多くなる
・音程が低くなる(開き加減にもよるし、マウスピースの差し込み加減にもよりますし、トータルのバランスで考えるので一概にはいえませんが、まあ狭いときよりは高くなる。)






開きが狭いと、、、

・音はまとまる こもる 暗くなる 落ち着く
・指の運動距離が少なくなる (フィンがリングはやりやすい)
・音程は低くなる(開き加減にもよるし、マウスピースの差し込み加減にもよりますし、トータルのバランスで考えるので一概にはいえませんが、まあ広いときよりは低くなる。)


こんな感じです。


すごーーく簡単に書いておりますので、少し正確でない表現もございますが、大体でお受け取り下さいませ。






たとえばセルマーをお使いのお客さま。


ヤナギサワ、ヤマハに比べてキーが離れているなあとか、大きいなあと感じる事はございませんか?


やっぱり外人は手がデカいのかな、、なんてつい思ってしまうのですが、、、


じつはセルマーの初期設定はけっこう広めに作られているだけだったりします。
(もちろんセルマーなりに理由があって広くしているのですが、、広すぎるものも多々)


一般的な開き(つまりせまく)に戻してあげれば、そんな印象もなくなり、しかも音も散らからず、中音のピッチ高くなりがちなレ、ミ、ファ、の音程が良くなった。 という事もあります。






楽器が悪いのか、、、自分のせいなのか、、、、わからず悩んでいるお客さまも随分多い事とと思います。

ぜひ! 自分のせいにする前に、楽器のせいにしてみましょう。笑

じつは使っている楽器が極端に狭かったり、、広かったりするかもしれません。








プロでなくては解りづらいような楽器のバランスに比べて、開きは一目瞭然で解ります。

楽器の開きの大きさを知るという事は、

現在の自分の奏法が、楽器にとってどういった状況なのか?

という、普段知りづらい事をする”すべ”でもあるという事です。

もしお使いの楽器が、知らずうちに基準から大きく外れて広くなっていたりして、そのまま練習していたら、

変なクセのある奏法になってしまう恐れもあるのです。








もっと突っ込んで話をすると、







一人一人、使っているマウスピースやリード、奏法が違うように、



それぞれの人が理想とするキーの開きは、奏者とリペアマンとのコミニケーションの中でしか生まれません。









キーの開き数値も含め、過去の調整内容はお客さまごとにデータとして保管しているので、ご来店が重なって楽器のコンディションが良くて、奏者の方向性(mp,リードのセッティングやメインで演奏する音楽性)などが解って来ますと、このキーの開きをお客さまに合わせて提案させていただいたり、試していただいたり、という様な細かなサービスも可能になって参ります。


お悩みの方は是非一度ご相談くださいませ♫











posted by PORTE at 15:56| Comment(0) | リペア

2015年06月15日

キーの延長 〜 サックスのキーの運動を考える その4

キーの延長や短縮、位置の移動といった事は


いかにもリペアの仕事っぽいし、こんな風にブログのネタにもなるのでよいのですが、(笑)


あまり安易には行うべき事ではないと思っています。



なぜなら、





まず1に、、



前のブログの記事の様にあった様に、”キーの押し易さ”や”指の届き易さ”といった印象は、楽器の構え方や、手の位置、親指の位置を少し変えるといった、奏者自身の工夫によって、大きく改善することがあるからです。





そして2に、






キーの位置移動より先に考えなければならない要素があるという事です。




パッドが正確にトーンホールにあっているという事。

キーの開きは適切であること。

バネの圧は適正であること。

キーロッドと芯がねの関係は適切であること。




等等。



これらの要素は、キーの形を変えてしまう前に考えなくてはなりません。

キーの押し心地、指の届き易さといった感触の総合的印象は色々な細かい要素でなりたっています。



楽器の作りはメーカー、モデル、古い楽器ともなると、個体によってもまちまちです。

そして一人として同じ手、指を持つ人もいません。

理想の状態というのは奏者ごとにも違ってきます。

楽器の方を変えた方が良いのか?

それとも奏者自身の工夫によってなんとかなるのか?






よーーーく考えて、





他の要素を先にクリアにしていき、




それでもなお更なる改善を見込みたい場合の


最終的なアプローチが






キーの位置の移動という事になります。






一度ぶっ壊すようなものなので、

この作業は派手で、やっていても楽しいです。笑






まず今回の場合、小指が押しにくく、どうにかしたいというお客様でした。

細かく検証する所から始まります。





使用しているお客様は大人の男性の方。


楽器は某メーカー製のスチューデントクラスと言われているモデルです。



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この楽器の場合、右手の小指部分がかなり手首よりに設計されており、小学生や女性等手の小さい人、小指の短い人にとってはベストの位置にあると言えるかも知れませんが、普通の大人の男性にとっては小指が余ってしまい、小指をかなり折り畳まないといけない位置でした。
 




IMG_9870.jpg


また、キーロッドの回転軸のちょうど真上に作用点があるので、回転運動の効率が非常にわるく、押し開くための回転角もトルクも大きすぎる事も、押しにくさの原因でした。





つまりキーを延長してあげれば、小指も変に折り畳まなくて済むし、軸からの距離が遠くなるため、回転運動の効率もあがり、(テコの原理です)押し易くなります。



そこでこの楽器はキーの延長を施します。





まずラッカーを剥離します。

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手にちょっとついただけで痛い。目に入ったらシャレにならない強い薬剤です。怖いです。完全防備で作業します。




つぎにキーのしのぎ部分とテーブル部分のロウ付けを外します。 


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ちなみに管楽器の溶接方法には主に二つの方法があります。

半田付け  と  銀ロウ付け  です。

詳しい事は割愛しますが、ハンダ付けは200度くらいの低温で溶融し、キーポストやキーガードの台座などを溶接しています、融点が低いので作業効率にすぐれています。 ロウ付けは800度くらい高温で溶融し、キーロッドとカップの溶接などに使われています。 高い温度が必要ですが溶接後はしっかりと外れる事はほぼありません。


今回の作業はロウ付けです。








ばらばらになったら、延長した時の事を想像しつつ、取り付け角度を調整します。

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真鍮の継ぎ足しを溶接します。


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継ぎ足しにテーブルを溶接します。
ここが一番の集中ポイント。気がついたら写真取るの忘れた。



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角度を確認します。










あとはヤスリを使って整えていきます。

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溶接した部分つなぎ目が見えない位溶接できました。




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ヤスリの番手を細かくして磨き上げ、最終的にラッカーを塗装して完了です。






回転軸からの距離が長くなったので軽い力でクローズキーを開ける事が出来ます。



[名称未設定].jpg

比較






特にLOWE♭がポイントです。

この場所はバネをあまり弱くできないのです。

このバネが弱いと低い音の振動に負けて浮いてしまい、フォルテでの定温やサブトーン時に上手く演奏できない原因の一つになってしまいます。

ここは出来ればバネ圧は強い方が良いけど、力のない小指なのであまり強くしすぎても押しにくいというジレンマを抱えた部分。


延長させる事によってこのジレンマを解消することができました。
posted by PORTE at 23:12| Comment(2) | リペア

2015年03月28日

キーの届きにくさ  〜  サックスのキーの運動を考える

サックス奏者の武田和大さんがFacebookでこんな事を話されていた。



ー「セルマーmk7は指届きにくい」発売当初から言われ続けてるけど果たして本当?mk6と比べてテーブルキーが「大きく」デザインされてるのが何故か「届きにくい」と翻訳されそのまま流布されてるよう感じます。
各指間に必要とされる「ヒラキの広さ」は本当にmk6と比べて大きいんでしょうか?
古代のCONNなどアメリカ楽器にはもっともっとヒラキの広いものがザックザクありますね。近年でもB&Sなどドイツ楽器は指貝厚くヒラキも広くて手の小さい僕には大変です。今だと流行りの台湾製楽器群も同じく。それらと比べるとmk7なんてコジンマリしたものかと。ー
                           武田和大氏のFacebookより 

下記URLはそのやり取り

https://www.facebook.com/KAZUDAI.sax.Kazuhiro.Tom.Takeda?fref=ts
                         

武田さんのお話はいつも面白く、感覚的な問題事に対する科学的な解決へのアプローチはいつも参考になり、特に音程に関する事は非常に勉強になるので、参考にさせていただいている。 

今回の件も面白く、これは自分の今の関心と非常に合致する内容で、たまたま手元にテナーのマーク6とマーク7もある事だし、調べてみようと思いました。



ということで、、、


マーク7はキーが大きく、届きにくい は本当か??


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mk6とmk7

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mk6のテーブルキー


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mk7のテーブルキー


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mk6の右手小指


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mk7の右手小指




マーク7はキーが大きく、届きにくい


これはマーク7という楽器を知っている多くの人が共通に認識している様に言われている事と思います。

キーが大きいのはテーブルキーに関しては一目瞭然なのですが、それ以外はどうなのか? そしてキーが大きいからといって届きにくいという事があるでしょうか? 押さえる部分が単純に大きいのであれば、かえって届き易いはずだし、キーが大きくなっても中心の位置が変わらなければ届きにくいという事はないはずです。


マーク6と比べて流通量が少ないマーク7は数そのものも少なく、多くの人がイメージだけでそう語っているのではないでしょうか? 確かに大きいと重たいとか、動きが鈍いのでは?といったイメージは浮かんできます。
がそれは届きにくさとはまた違う話。


本当に届きにくいのか?届きにくさとはなんなのか?  




少しつっこんで検証してみたいと思います。






届きにくいとはどういった状況の事か?




まず ”届きにくい” という状況を整理します。



実はこれには言葉通りの意味と、別の意味とが、両方とも混在している様に思えるからです。


まず言葉通りの意味で解釈すると、


届きにくい という状況は 距離が離れている ということなのだけれど、そもそもが感覚的な問いであるためか、別の要素を「届きにくいこと」と解釈している場合、混同している場合が見受けられるからです。




平たく言うと、「押しにくい」 事から来る感覚的な煩わしさを 「届きにくい」 という様に理解されてしまうのではないか?という事です。




実際こういった話になった時に、押さえ易い、とか、心地悪いとか、バネが強いとか、 様々な要因をごちゃまぜにして本筋の話がどこかに行ってしまうパターンが多いです。



そこでここではまず、「距離」に関係する事に限定し、明確に実測する事で、届きにくい状況を把握し、検証した後、一般的に「届きにくい」と解釈、混同されそうな、キーの「押し易さ」、「押しにくさ」という事、総合的な印象はどういった要因で構成されるかにもふれて話を進めていきたいと思います。





距離の定義。 





さて、届きにくいという事は 距離が遠い ということなので、



距離を測りたい。


が、、これは意外と定義が難しい。



どこからどこまでを距離とするのか? 



キーの間隔を計れば良い様に思ってしまうけれど、


キーの間隔というのは横方向にしか対応しない1次元での話であり、実際には3次元の


縦、横、高さ

の距離もそれぞれ関係してくるからです。




簡単に考えた時に、サックスの場合それぞれ方向性は”届きにくさ”に対して下記の様な影響を与える物と思われます。





 キー回転軸と垂直方向の向き、指貝の奥行き。 この距離が遠いと指を伸ばさなければならないため、届きにくい。



 キー回転軸と平行の向き、指貝の間隔。この距離が広いと指を広げなければならないため、届きにくい。


高さ
 キー回転軸に対して高さ方向に垂直の向き、キーの開き、指貝の厚さ、管体の幅。 ここが大きいと手の平全体を広げなくてはならず、届きにくい。


IMG_2904.jpg





このそれぞれの向きに対して、離れている2点の間隔を距離として計りたい。
一つの点は各指貝の中心ということで間違いないが、もう一つをどこに設定すればよいのだろう?



重なるけれど、一見各指貝中心どうしで、それぞれの差を計れば良い様に思えますが、それでは各方向の一次元的な動きでしか検証する事ができず、例えば「縦は近いけど横は狭い」とか「縦横はちょうど良いが高さが遠い」といった例を数字で説明する事ができません。



それぞれの点に対応する共通の点(座標)を定義し、その基準点とそれぞれ指貝中心の縦、横、高さの距離を測らなくては、つまり3次元的な座標を作らなければ距離を説明する事はできないはずです。



さて、、、
どこを基準点とするのか?





基準点探し



それでは基準点を探したいと思います。




そもそも 届きにくい とは 距離が遠い という事と説明しましたが、
もっと細かく言うと 指貝の位置が指から遠い という事で、手、指の動きが前提となっている問題だということを忘れてはならないはずです。



という事で人間の指を対象に手を観察する事にします。


IMG_2895.jpg


自作のレントゲン写真  笑





手の大きさ、指の長さはだれ一人同じ人はいませんが、人間として動かし方、力学的な動作は全ての人間において共通であるはずです。

たまに超人的な方もいらっしゃいますけど。。。



そこで指を実際のキーの動きに合わせて動かしてみる。



IMG_2896.jpg

脱力している状態


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キーを押したイメージ。 親指は撮影上邪魔なので横にある。



 
指というのは多くの稼働部がありますが、どの指も一様に一方向に向かって動いている事が見て取れます。

手のひらの関節のみ横方向に若干動くが、キーを押す動作というのは基本的に指が内側に折り曲がる動作であり、折り曲げ動作は一方向にしか動かない。 
これは手の関節が手首を中心とした扇形の骨の構造になっているからです。親指だけは関節が一つ少なく、横向きに生えているため、他の4本とは違った動きをする。 この扇形である部分の延長線上に指の運動の方向が存在し、それ以外に動く事は難しい。



この指のおり曲がった先がつまり指の運動の中心点であるということで、

運動方向から大きく逸脱している場合は 届きにくい 状態であるという事が言える。  

また運動方向が一致していても、距離が遠いと 届きにくい 状態である という事も言える。


IMG_2668.jpg



ということで指の根元であり、各指の運動方向の出発点となっている手首を基準点として定めたい。 


がしかし、、運動的には手首なのだが、キーの距離を測る際にはふさわしくない。


手首内のある一点を定める事は難しいし、手首の中に定規を入れるのは痛いし、動いてしまい正確に数値を出す事が難しいからです。


そここで親指さんにお願いする事にします。

親指は管体を支える役目として、そしてサックス演奏上の指達の親分としてサムフックに鎮座しており、親指は動かない。また手首の運動方向の中心点から多少ずれているとはいえ、程近く、実際に演奏する際には手首というよりも親指を支点として握り込む意識や包むといった意識で演奏する事もあるので、親指は基準点として妥当と思う。

この親指は動かないため親指の座るサムフックの中心点を今回の距離測定の基準点と定めた。

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横からも観察すると折り曲げる運動(キーを押す運動)横方向から見れば手首では無く親指に向かっているし、基準点を親指とすることにますますの正当性を見つける事ができた。 (実際には親指と手首の間に存在している物と思われる)



距離を測る


さて縦、横、高さを親指を基準点として距離を計測すれば良いのだけれど、
今回は二つのモデルを比較するだけなので、正確な座標を求めるというよりも、比較ができれば良い。
そこで親指から各指貝までの直線距離を測る。



基準点から指貝中心点までの直線距離というのは3次元的な”斜め” なので、縦、横、高さ すべての要素をあらかじめ含んでおり、実際に扇状に稼働する指の動きの方向線とも少し中心点からずれるとはいえ、おおよそ合致する。

IMG_2905.jpg

図にするとこういう事なのだけど、、、分かりづらい、、、。


とはいえ、参考までに縦と横、は定規と一緒に撮影した画像を載せておく。 高さについてはキーが手の運動方向に合わせて傾斜している箇所もあり、キーポストやサムフックによって上手く計測する事ができないので省く。


また、ここまで正確に定義付けをしておいてんんともですが、、時間の都合上、右手だけ計る事になりました。
右手だけで大体自分の考えている事の仮説と一致したからです。





マーク6は製造番号224***
マーク7は製造番号241***

マーク7は”初期”と言われている物で、右手のテーブルキーが少し後期の物と比べ小さい。
比べる対象の年代がもっと離れていればなお良かったのですが、今回はこれにて。


計る前に変わる可能性のある前提条件を二つとも同じにしておく。
キーの開き加減です。

キーの開きとは,,

以下参照

開きについて
http://musicporte.com/note/glossary/glossary.php


のことだが、
テナーサックスはFを8.5mmとしてあわせます。
開きの理想の数値の話はここでは置いておき、ふたつのキーの開きを一緒に設定した。ここが違ってしまうと他の距離も変わってしまうためです。





果たして結果は、、

IMG_2863.jpg

mk7



IMG_2860.jpg

mk6

これは横方向をいちおう計っている所。




肝心なのは次。

IMG_2881.jpg

mk6

IMG_2880.jpg

mk7


ノギスで親指サムフックの根元中心から指貝までの直線距離を測っていく。


結果はこの通り!!!!!


mk6
サム / F 71
サム / E 72
サム / D 80
サム / E♭ 85
サム / C 100



mk7

サム / F 71
サム / E 72
サム / D 80
サム / E♭ 95
サム / C 112

単位ミリ




ということで、、、、


結果、

マーク6とマーク7ではほぼ変わらないが一点だけ違う点がある。

小指だ。



マーク7の方が小指までの距離が約1センチ長いのです。



この小指という点がミソだと感じます。小指は他の指全体に与える影響が多き指だからです。




試しにこれを読まれている方は小指の関節だけ曲げる事はできますか?

大抵の人間は薬指も勝手に動き、中指までもが少し影響されて動いてしまうのではないでしょうか?

このように小指は指全体に与える影響が大きく、他の指も含めた”手”全体の印象もだいぶ変わるという事になる。

小指と親指だけを動かそうとすると手の平全体もつられて動いてしまう。

この辺は個人差も激しいと思いますし、個人の印象、個人の感覚は人にそれぞれですが、小指が他の指と連動してしまう人は手のひら全体の問題としてとらえてしまう事もあるのではないでしょうか?


IMG_2906.jpg

ちなみに私は小指の動きが悪く、テレフォンマークすらできないのです。


IMG_2907.jpg

がんばっても薬指がついてきてしまう、、、、




という事で、

マーク6とマーク7の右手キーを比べた際に、親指から小指までの距離が1センチ長い。

事実が分かりました。

よって

マーク6とマーク7で比べた場合、マーク7の方が小指が届きにくい。 

という事が言えます。 

さらに

小指が全体の印象に大きく作用するのなら、他の指の印象としても、大きく感じる可能性があり、マーク6とマーク7で比べた場合は届きにくいと感じる。

ということなのかもしれません。




他のメーカーは調べていませんので、あくまでもマーク6とマーク7を比べた時の話として強調しておきます。




うむ。。。


意外にも、、、、、、距離だけの話に限定すれば、本当に届きにくいという事が分かってしまった。イメージ論だと思っていたが違った...



ではなぜこうなったのでしょか?



距離的には届きにくいという事は分かったが、押し易さはどうなのだろう?

なぜ小指の位置が違うのか?なぜ小指はマーク6は軸が一本でマーク7は軸が2本なのであろう??

そこには小指のキーの形状から浮かびあがってくる、設計者の意図が隠されてあったのだった。。。。



ででん!


続く。。。。
posted by PORTE at 16:51| Comment(0) | リペア